歩道の雑草が繁茂し通行障害となっており、その解消を目指したプロジェクトが地域主体で動き出しています。その一環として9月27日(土) にコミュニティハウスにおいて、防草学習会が開催されました。講師はリビングソイル研究所代表の西山先生、そして、アドバイザーとして、ひとはくの高田先生をお迎えしました。参加者は23名でした(講師、アドバイザー含む)。
西山講師からは、草のコントロールに関与する要素が5つあり(①日照量のコントロール、②植物によるカバー、③人と生き物の動き、④生態系の攪乱/草刈りや耕起等、⑤土壌管理)、それぞれが草のコントロールにどのように関わるのかについて事例を交えたお話を聞くことができました。
そして、質疑応答に入ったのですが、ここで考えもしていなかった雑草対策に関わるアドバイスが出ました。驚くような内容でした。質疑の一端を以下に示します。
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A氏:今やっている実証試験は、高木が影をつくるように、低木ももっと大きく育てれば影が作れる、その結果として防草できるのではないかとの思いで取り組んでいる。このような考え方について、どう思われるか?
N講師:真っ暗な山奥の森林の中だと確かに雑草は生えて来ない。しかし、植樹帯の高木・低木では、そこまでの暗闇は作れない。低木を育てて影をつくり雑草を抑制するのは難しいと思う。
N講師:自分なら、低木(サツキ)を除去し、この地に群生しているチガヤを育てて草原のようにする。害になるアレチヌスビトハギ等は抜き取る。そのように管理していくと、その内、害になる雑草はなくなってしまう。チガヤは横に倒れにくく通行の邪魔になることはない。防草シートなど人工のものは万能でない。防草シートは、良いものでも寿命が7~10年くらいでぼろぼろになる。張り替えるには手間がかかる。上に砂利を敷くと半永久(メーカー)とされるが、砂利の中に土が貯まって草が生えてくるので半永久には持たない。コンクリートやアスファルトでも難しい。人間が押さえつけるのは難しいのではないか。自然のままを生かすのが良い。
Tアドバイザー:ひとはくに「チガヤの庭」を造っている。更地にチガヤの苗を植えた。キキョウやオミナエシ、ツリガネソウなども植えた。地域性の種苗を育てて緑化、即ち近くに生えている植物で緑化するという考え方。1年目で春には穂が出て草原になった。今年で3年目。ひとはくに「チガヤの庭」を作っている。是非見に来て欲しい。日本の中で草原が喪失してきつつある。生物の生息場所や甲虫の居場所もなくなりつつある。一つの解決策となる。
B氏:チガヤは下手に触ると怪我をする。大丈夫か。
Tアドバイザー:子供たちも喜んで遊んでいる。遊んで怪我をしたという話は聞いたことがない。チガヤの管理は、年1回3月に根元まで刈り取ること。下部を残してはダメ、全部刈る。その後、葉が伸びてきて柔らかくなる。
N講師:チガヤはほっておいたら生えてくる。この地域に適している。他の植物より管理も楽。難しいのは、人間が好む植物を自然に関係なく植えてしまうところ。植栽桝が狭すぎると桝を持ちあげてしまうことなどがある。今、世界的に「草原がブーム」。イネ科の雑草が至る所に植栽されるようになっている。
N講師:低木は上手く管理してもなかなかきれいにならない。だから低木はなくすべきと考えている。しかし、公共のものは税金を使ってやっているので理由なく全部抜けない。かといって、全部維持はしんどい。低木をなくす分、高木をしっかり育て影をつくるのが良い。
低木をなくすに当たって留意すべきことがある。植樹帯そのものをなくせるかということ。コンクリートやアスファルトのみの歩道は、グレーインフラに分類される。雨水を全部、側溝に集めて川に流す方式。従来型のもの。植樹帯そのものをなくすと従来型に戻ってしまう。Tアドバイザーから紹介のあった「チガヤの庭」は、グリーンインフラに分類される。この方式は、雨水を緑の場所に集め、あふれたものを側溝に流し、川に流すという方式。元からあった植樹帯の防災機能を維持できる訳である。
Tアドバイザー:グリーンインフラは、雨水が染み込む土づくりが大切なので植生を作り上げられるかポイント。
N講師:地域性のものとは何か。残すものは何か、要らないものは何か、選定する必要がある。あかしあ台の場合だと、要らないものはアレチヌスビトハギ、残すものはチガヤということになるのではないか。
あかしあ台の植樹帯は、道路側(高木メタセコイア)、中央、住宅側の3列になっている。通行だけを考えると、全面をコンクリートやアスファルトにしてしまうのが最も楽。しかし、防災を考えると雨水を染み込ませる場所としてのグリーンインフラの構築が大切です。埋めてしまったらグリーンインフラがなくなる。
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最後に高田アドバイザーから総評がありお開きとなった。高田アドバイザーの総評は次の通り。
【高田アドバイザーの総評】歩道植樹帯の防草問題の解決には幾つかの考え方がある。行政とコミュニケーションをとりながら市民でできることを先行してやっていくことが大切だということ。何か前例を作るとスムーズに物事が進むようになる。もう一つ大切なことは、環境に対する見る視点を状況に応じて変えていくことが必要だということ。チガヤだけをみると厄介な雑草。しかし、見方を変えると価値も変わる。皆と話し合いながら、積極的に街の面白がれるところを見つけ、今後につなげて欲しい。
《歩道環境再生プロジェクトの取組は、こちらをご覧下さい。》
写真説明(左→右→左下→右→左下→右→左下→右→左下→右
①ご講演の様子、②雑草繁茂状況、③メイン実験場(基礎実証)、④サブ実験場(実用実証)、⑤「えのき」の下の子供のたまり場、⑥さくらの下の憩いの場、⑦カバープランツ実証(姫路)、⑧オーストラリアの公園(低木少ない)、⑨チガヤの庭(ひとはく)、⑩現地学習の様子










